2024-09-04

ある日突然、子どもから「学校に行きたくない」と言われたら、親としてどう対応すればよいのでしょうか?

 

驚きや不安を感じるかもしれませんが、まずは落ち着いて子どもの気持ちに向き合うことが大切です。

この記事では学習塾の先生としてどのようなサポートが必要かをご紹介します。

突然、「学校に行きたくない」と言われたら

不登校は身近なものになりました。

不登校の生徒の割合は、小学生で1.7%、中学生で6.0%です。

中学生の40人のクラスであれば、2.6人が不登校ということになります。

また理由は「無気力・不安」が 51.8%と一番多く、「生活リズムの乱れ,あそび,非行」が 11.4%、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が9.2%、「親子の関わり方」が7.4%、「左記に該当なし」が5.0%となっています。

無気力・不安は理由がはっきりしない不登校です。

うちの塾生でも、「中学3年生で部活を引退してから、学校に行く理由がなくなった。」「行く気になれば行けます。」というお子さんもいました。
不登校は身近なものになって来ています。友達が不登校なので、「私も行きたくない。」というお子さんもいます。

適切なサポートは結果論でしかない。

多くの不登校関連の記事を見ると、不登校の保護者、学校の先生、精神科医の多くは「お子さんに応じた適切なサポート」と書かれています。

 

ただこの適切なサポートが大変難しいと私個人は思います。

またその多くの記事でもお子さんの気持ちに寄り添い「傾聴」し、お子さんのことを理解するという内容が書かれています。

 

ただ、私もカウンセラーの資格を持っていて、日々訓練をしていますが、「傾聴」も大変難しいです。

 

もちろん、「傾聴」も気持ちで保護者の方がお子さんから話を聞いてあげる姿勢は大切です。

ただ、保護者の方の傾聴とサポートには限界があると思います。保護者の方ができるサポートには限界があります。

 

心配なのは将来のこと

私も3人の父です。不登校で心配なのは子どもの将来です。

文科省の不登校の追跡調査によると、87.7%の生徒が高校に進学し。そのうち無事に卒業したのは66.7%です。

卒業しなかった生徒も、高校中退後に大学に進学しているケース、高校転学のケースも多いです。不登校の生徒の多くは、高校に進学し、大学や専門学校に進学し就職しているのが現状です。

私が支援した生徒は中学3年生から不登校になり、期末テストだけ受けるような生徒でした。勉強ができた生徒だったので、札幌平岸高校に進学しましたが。1年目で中退しました。その彼は札幌大通高校に進学し、4年かけて卒業しました。その後、大学に進学し就職しています。

 

主な支援先

支援先として以下のようなものがあります。

教育支援センター、

教育相談所(ちえりあ)、

児童相談所、

病院、

フリースクール、

カウンセリングがあります。

ただ不登校の方の43%は何も利用しなかったと答えています。なおフリースクールは5.8%でした。

また最近話題になっているサービスがあります。話題の理由は生徒本人ではなく、保護者の方にアプローチをするという考え方です。一部では、保護者の対応が悪いと言っているように見えるなどの批判があるようです。

ただウェブページを見ると多くの生徒で学校に通えるようになっているようです。

私は教育の専門家として興味があります。

「不登校」と検索すると上位表示されたたり、広告でも出てきます。
塾の介で不登校の生徒を支援していますが、これまで上記の支援先を利用している生徒やそのお話を聞くこともほとんどありませんでした。

病気の可能性も

支援先でもっとも大きい割合だったのは病院・診療所で23.9%の方が利用しています。

 

文科省の不登校の定義では、病気を除くとしていますが、私たち保護者からするその定義に意味はありません。

心配であるのは変わらないからです。

私が支援していた生徒の1人は起立性調節障害でした。自律神経の働きが悪くなるもので、朝になかなか起きることが出来ない、症状は午前中に強く、午後からは体調が回復することが多いというものです。この生徒は午後から通常の塾の介に参加し無事に大通高校に進学しています。

また、学校に行く前になると頭痛・腹痛などの症状や自傷行為、暴力という形であらわれる場合もあります。また精神症状化(不安・抑うつ)といった多様な可能性もあります。身体的にも、精神的にも体調が悪そうであれば病院に診断に行くことも検討しましょう。

 

不登校の生徒は支援がなくても高校進学する。

これまでのデータを見ると、不登校の生徒の43%は支援を受けず、そして約60%の生徒は高校に進学し卒業しています。不登校だからと心配する必要はないのかもしれません。では実際に進学に向けて行動をしていきましょう。

 

 

まずは進学先を考えましょう。

高校進学で一番の壁になるのが、学習点(ランク)です。

通知表の数字から計算できます。不登校の生徒はテストを受けていない生徒が多く、通知表が「1」や「2」が多くなりがちです。そのため多くの高校では学習点(ランク)と当日点で入試が行われているため不利になりがちです。

 

また、現在も不登校である場合であれば、高校生になって通常通りに通えるのかも本人、保護者さんにとっても不安があるかと思います。そこで通信や単位制の高校を選択する生徒が多くなります。

 

主な進学先 公立

●市立札幌大通高校 ※学習点は関係ないが、筆記テスト(学力検査)はあります。
●有朋高校(通信制)

主な進学先 私立

●第一学院 ●飛鳥未来 ●池上学院  ●北海道芸術
●トライ式高等学院 ●角川ドワンゴN ●角川ドワンゴS
●クラーク記念国際 ●NHK学園 ●日本航空サテライト
●星槎国際 ●PRSENT高等学院 ●札幌科学技術専門

塾の介が支援するほとんどの生徒は、札幌大通高校です。

それ以外の学校の場合は学力も必要ないので、学習塾も不要だからです。

以前、北海道芸術高等学校のダンスコースに通わせたいという保護者の方から相談があり、お会いしました。話を聞く中で学習塾は必要ないこと、学習塾にお金を使うのであれば、その先の進学先に使った方が良いことをお伝えしました。

 

学習点(ランク)がほしいなら

まだ中学1年生、中学2年生で中学からの復学を目指すなら、学習点(ランク)もほしいです。そのような場合には保護者の方がプリントを取り行きましょう。不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)(6文科初第1126号令和6年8月29日)が出されました。そこでは学校外での取り組みを評価するように書かれています。つまり、学校のプリントをもらいそれを取り組み、学校に提出することで学習点がもらえます。プリントの受け渡しはお子さんの状況に踏まえて取り組みましょう。

 

不登校は悪くない。でも現実も。

引きこもりと不登校の関連が高いことが言われています。

また文科省の多くデータでも不明やその他に分類されるものも多くあります。

文科省のデータはアンケート調査やインタビュー調査によるものです。

不登校の生徒で本当に大変な状況のご家庭がアンケート調査やインタビュー調査に応じるとは考えにくく、逆に高校進学、大学進学、就職というご家庭ほど調査に協力しているとも考えられます。

 

統計上の確率よりも、目の前のわが子が心配なはずです。

 

社会とのつながりを大切に。

どのような支援があればいいと思いますかという質問に、「友人と知り合えたり、仲間と過ごせたりする居場所」が28.9%、「心の悩みについての相談」が33.3%と答えています。

 

また。中学卒業のことを考えると、学校以外で子どもが友達と過ごせ、心の悩みについて相談できるような場所があれば良いと思います。

具体的には、ピアノや運動系の習い事や、家庭教師や学習塾もいいかもしれません。お子さんの性格に合わせて社会とのつながりを作ってあげることを目標にしましょう。

重複しますが、不登校の生徒の43%は支援を受けず、そして約60%の生徒は高校に進学し卒業しています。不登校を必要以上に心配する必要はありません。不登校でツライ思いをしているのは本人と保護者の方です。受けられる支援をしっかりと受けていきましょう。

 

塾の介では無料体験を実施中です。

通い放題個別指導だからできるサポートがあります。是非お気軽にご連絡下さい。

 

参照

令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
文部科学省初等中等教育局児童生徒課
https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

 

不 登 校 に 関 す る 実 態 調 査 平成 18 年度不登校生徒に関する追跡調査報告書
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/08/04/1349956_02.pdf

教育支援センター(https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/sodan/kyousourokushisetu.html
ちえりあ(https://chieria.slp.or.jp/

成果に係る成績評価について(通知)(6文科初第1126号令和6年8月29日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00002.htm
ひきこもりの理解と支援 筑波大学 社会精神保健学 斉藤環
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/108/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/06/10/1357586_01.pdf

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