2024-10-10

学習塾と発達障害

先日、私の友人から電話がありました。

 

友人には1人子どもがいて、その子が発達障害の疑いがあると保健センターから言われ相談のために連絡してきました。

 

私が障害のある子どもの先生である養護学校教諭一種免許を持っているからだと思います。

 

「発達障害」と聞くと多くのお母さん、お父さんはあわてると思います。

 

そこで今回は発達障害についてお話したいと思います。

学習塾と発達障害

 

発達障害とは

・知的障害

・自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)

・特異的発達障害(学習障害)

・注意欠陥多動性障害(ADHD)

 

ポイントは「理解の遅れ」と「社会性の遅れ」です。

 

理解の遅れが全面にでる知的障害、社会性の遅れが全面にでるのが自閉症スペクトラムです。

 

ある特定の能力の遅れがある場合には学習障害となります。学習障害の種類は様々です。言語障害、読字障害、書字障害、計算障害などがあります。

 

また注意集中や衝動コントロールの力の発達だけが遅れる注意欠陥多動性障害(ADHD)となります。

 

キレイに分けられない。

発達障害として1、知的障害、2、自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)、3、特異的発達障害(学習障害)4、注意欠陥多動性障害(ADHD)があるがキレイ分けられるわけではありません。

 

お互いはつながっています。自閉症スペクトラムのお子さんも言葉や読み書きなどの計算などにしばしばおくれをもち、学習障害と同様の問題を示したり、注意欠陥多動性障害のお子さんが読み書きや計算の遅れを示したりします。

 

お子さんの特性を把握する。

塾の介の面談の時に、年間で3例ほど、「うちの子は発達障害と言われているんです。」と教えてくれることがあります。

 

その時に私は発達障害の種類を聞くことはありません。

なぜなら、診断名は大切ではないからです。お子さんにとって何ができて、何ができないのか、どんなことを好み、どんなことを嫌がるのかを丁寧に把握する必要があります。

 

それは発達障害と言われていても、言われていなくても同じです。

 

みんなと距離を縮めるvs そのままでいい

発達障害は「遅れ」があります。そのため1つの考え方として、その遅れを取り戻すという考え方があります。また一方でその遅れをそのまま受け入れるという考え方もあります。

塾の介ではこの矛盾する考えをそのまま理解し学習をすすめています。

ある発達障害の子どもがいます。(親御さんから発達障害であると診断されていると事前に話がありました。)

 

その子はレポートが嫌い。

 

でも明日までにそのレポートを提出しなければなりませんでした。

 

彼と数回話し合い、半分だけ埋めたレポートを提出することにしました。

 

私もその子も努力しましたが、半分だけで諦めることにしました。

(※彼は現在普通学級に在籍し、普通科の高校進学が希望)

 

無理に残り半分を埋めることもできたと思います。ただ、彼のやりたくないという想いもあります。

 

この決断が正しかったのかわかりませんが、日々、「みんなと距離を縮めるvs そのままでいい」をその子と話し合いながらすすめています。

 

また別の例です。その子はADHDと診断され、お薬を飲むことになりました。

 

その薬は眠くなる成分が入っているらしく塾でもよく居眠りをしていました。

 

私も薬の成分のことを保護者の方から聞いていたので、居眠りについては軽く注意するだけにしました。

 

塾にいる時間の全て居眠りをしているわけではないので、

 

起きている時間に、レポートや提出、テスト勉強をし第一志望校に合格しています。

 

現在は、大学生になっています。

 

通い放題個別指導なので、その分長く塾に来てもらえれば、その分少しずつ勉強がすすんでいきます。

 

 

考えるべき二次障害

二次障害とは本人の発達障害の特性を理解してもらえずに、周囲の人から注意・非難・叱責を浴びると、自信をなくしてしまい、別の問題が出てくることがあります。

 

塾の介では、「発達障害の子ども」と「そうでない子ども」が一緒に勉強しています。

 

そこで、問題になるのが二次障害です。「そうでない子ども」からすると「発達障害の子ども」は、変わった子、変な子です。話すときの距離感や使う言葉も違います。

 

言ってはいけない言葉「〇ね」「〇〇」という言葉も普通に使います。

 

「そうでない子ども」も距離を離したいと思いながらも、それはいじめになるのではないかと悩みます。

 

塾の介では、それぞれ個別に話を聞き、要望に沿えるように努力しています。

 

学習塾と発達障害

塾の介は勉強が苦手な生徒が楽しく勉強する学習塾です。

 

そのため発達障害やグレーゾーンと言われるお子さんも多いです。

ただ、お子さんの特性や状況を理解することは、どんな生徒を指導する上でも大切なことです。

 

障害の有無に関わらず、目の前のお子さんの話を聞きながら指導をすすめていきます。

 

【参考】

発達障害の理解 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000633453.pdf

 

子どものための精神医学 滝川一廣 医学書院

 

療育なんかいらない! 佐藤典雅 小学館

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