2026-06-09

「勉強しなさい!」が逆効果になる理由

「勉強しなさい!」が逆効果になる理由

~本当に大切なのは、親子関係かもしれません~

目次

  • 1,「早く宿題やりなさい!」が毎日のように繰り返されていませんか?
  • 2,なぜ「勉強しなさい」と言うほど子どもは勉強しなくなるのか
  • 3,よくある声かけテクニックは本当に効果があるのか
  • 4,言葉だけでは解決できない理由
  • 5,本当に大切なのは親子関係
  • 6,今日からできる小さな一歩
  • 7,保護者だけで抱え込まないでください

 

  • 1,「早く宿題やりなさい!」が毎日のように繰り返されていませんか?

「早く宿題やりなさい!」

「あとでやるってば!」

 

毎日、お家の中でこんなケンカが繰り返されていませんか?

子どもはスマホを見たりゲームをしたり……。

「このままだと、この子の将来はどうなっちゃうんだろう」

「どうしてうちの子は、こんなに勉強が嫌いなのかしら」

 

そんな我が子の姿を見て、焦りや不安、そしてイライラが止まらなくなるお母さんの気持ち、本当に、本当によく分かります。

 

 

私自身も3人の子どもの父親です。実は我が家の子どもたちも、決して勉強が大好きというわけではありません。

だからこそ、お父さんやお母さんの気持ちはよく分かります。忙しい中、子どもの勉強のことまで気を揉むのは、本当に疲れてしまいますよね。

子どもにぶつけてしまったイライラの後に、

「また怒っちゃったな……」

と、一人で落ち込んでいる保護者の方も少なくありません。

 

 

あなたが悪いわけでも、お子さんにやる気がないわけでもありません。

 

 

勉強が苦手な生徒を18年間指導してきた経験から、今日は少し違った視点をお伝えしたいと思います。

 

  • 2,なぜ「勉強しなさい」と言うほど子どもは勉強しなくなるのか

 

まず、少し意外な事実をお伝えさせてください。

お母さんやお父さんが「勉強しなさい!」と言えば言うほど、子どものやる気は失われていくことがあります。

「今やろうと思ってたのに!」

「言われたからやる気なくなった!」

 

 

お子さんからこんな言葉を聞いたことはありませんか?

実はこれ、単なる言い訳ではありません。

人間の脳の仕組みによる自然な反応なのです。

心理学では「心理的リアクタンス」と呼ばれています。

 

 

人は誰かに命令されると、

「自由を奪われた」

と感じ、反発したくなります。

 

 

例えば、

「このボタン押さないでね」

「この箱の中身見ないでね」

と言われると、逆に押したくなったり見たくなったりします。

子どもも同じです。

言われた結果、その逆をしたくなってしまうのです。

さらに子どもにとっては都合の良い理由にもなります。

「お母さんが勉強しなさいと言ったからやる気がなくなった」

そう考えることで、自分自身と向き合わなくて済むからです。

 

  • 3,よくある声かけテクニックは本当に効果があるのか

教育書やインターネットでは、

「今日からできる魔法の言い換え」

のような方法が紹介されています。

しかし、私は魔法の言葉は存在しないと思っています。

例えばこんな方法です。

 

 

コツ① 命令を質問に変える

×「早く宿題やりなさい!」

〇「宿題、夕ご飯の前にやる?それともお風呂の後にする?」

子どもに「自分で決めた」と思わせることがポイントだそうです。

 

 

コツ② Iメッセージを使う

×「なんでいつもギリギリまでやらないの!」

〇「夜遅くに宿題を始めると、明日眠くならないか心配なんだよね」

 

 

コツ③ 手助けを提案する

×「ほら、机に座って!」

〇「宿題、何か手伝えることある?」

〇「ノート出すの手伝おうか?」

 

 

これらは部分的には正しいと思います。

実際、親子げんかが減ったり、子どもが話を聞きやすくなったりすることもあります。

ただ、それだけで勉強嫌いが解決するほど単純ではありません。

 

  • 4,言葉だけでは解決できない理由

少し立場を変えて考えてみてください。

私たち大人も、

  • お酒を控えたいけど難しい
  • 健康のために運動した方がいいけど忙しい
  • タバコをやめたいけどやめられない
  • ダイエットしたいけど食べ過ぎてしまう

そんなことがありますよね。

 

 

では、もし旦那さんや奥さんからこんなふうに言われたらどうでしょう。

 

 

コツ① 命令を質問に変える

×「早くジョギングやりなさい!」

〇「ジョギングは夕飯の前にする?お風呂の後にする?」

 

 

コツ② Iメッセージを使う

×「なんでいつもやらないの!」

〇「ジョギングを夜遅くに始めると、明日眠くならないか心配なんだ」

 

 

コツ③ 手助けを提案する

×「早く靴履いて外に行って!」

〇「ジョギングするのに何か手伝えることある?」

 

 

さて、どうでしょうか。

少しは気分が良くなるかもしれません。

ケンカにはならないかもしれません。

でも、それだけで運動習慣は身につくでしょうか。

禁煙やダイエットは成功するでしょうか。

 

 

おそらく、多くの人は難しいと思います。

もちろん、これらの方法にも一定の効果があります。

しかし、それだけで問題が解決するほど人間は単純ではありません。

 

 

  • 5,本当に大切なのは親子関係

カウンセリングでは、次の3つが大切だとされています。

自己一致

自分の心に嘘をつかず、自然体でいること

 

受容的態度

相手を善悪で評価せず、そのまま受け止めること

 

共感的理解

相手の立場に立ち、その人の世界を理解しようとすること

 

 

実は先ほど紹介した声かけの多くは、この考え方から生まれています。

つまり、

 

 

言葉のテクニックではなく、相手との関わり方そのものが大切なのです。

でも現実は簡単ではありません

 

 

カウンセラーは人の成長を支援します。しかし、それは発言を少し変えたから起こるものではありません。

長い時間をかけて信頼関係を築きながら、少しずつ変化を支えていくものです。

しかもカウンセラーは何年も訓練を積んでいます。

それでも難しい仕事です。

 

 

 

忙しいお父さん、お母さんが毎日完璧に実践するのは現実的ではありません。

完璧を目指さなくて大丈夫です

だからこそ、

「全部やらなきゃ」

と思う必要はありません。

少しだけ意識してみてください。

  • 子どもの話を最後まで聞く
  • すぐに否定しない
  • 相手の立場を想像してみる

それだけでも十分です。

 

 

成績が上がる家庭に共通すること

18年間、生徒を見てきて感じることがあります。

成績が上がる生徒のご家庭は、親子の会話が多い傾向があります。

ただし、勉強の話ばかりしているわけではありません。

学校のこと。

友達のこと。

ゲームのこと。

部活のこと。

何気ない会話をたくさんしています。

だからこそ、勉強の話になったときも、子どもが耳を傾けやすいのです。

 

 

  • 6,今日からできる小さな一歩

① 1日5分だけ子どもの話を聞く

② 勉強の話以外を聞く

③ 質問を増やす

④ すぐに評価やアドバイスをしない

親子の会話が増えるほど、子どもは保護者の言葉を受け取りやすくなります。

 

  • 7,保護者だけで抱え込まないでください

親子関係を作ることは大切です。

しかし、保護者だけで勉強の問題まで抱え込む必要はありません。

 

トマス・ゴードンはこう言っています。

「親は非難されるが訓練を受けていない。(中略)人間の仕事のなかでいちばんむずかしい仕事につく。(中略)これほど困難で、能力や努力を必要とする仕事があるだろうか。」

 

親になることは本当に難しいことです。

 

だからこそ、一人で抱え込まないでください。

教育の専門家に相談することも立派な選択肢です。

学習塾は単に勉強を教える場所ではありません。

親子の間に入り、学習面をサポートする存在でもあります。

もし札幌市東区東雁来周辺にお住まいでしたら、塾の介も選択肢の一つとして考えていただけるとうれしく思います。

最後に。

「勉強しなさい」を一回減らしてみてください。

その代わりに、お子さんの話を5分だけ聞いてみてください。

成績を変える第一歩は、意外にも勉強ではなく、親子の会話から始まるのかもしれません。

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